2010年1月21日木曜日

友達の日



1月19日は友達の日だった。気分を重くして過ごす。何かをするわけでもなくて、夕方に近所の神社に行って手を合わせただけ。

そういえば、あいつに似た顔をしているやつを見たことはない。
あいつの本当に笑った顔も見たことはない。

皮肉屋だったから、自信たっぷりの顔をしていることが多かったんじゃないかな。

なんでそんなことになったか忘れたけど、大学近くの喫茶店で、お互いの書いている文章を見せあった時があったっけ。
その時小ぶりのテーブルに向かい合って、俺があいつの小説を読んでいると、「こういうのはドキドキするもんだよね」って言ったんだ。
なんだか絵に描いたみたいなことをいうな、そういや喫茶店で原稿を読みあうなんて、少しイメージが古臭いんじゃないかと思って、なんだか面白くなってしまった気がする。

それから俺の言ったあてずっぽうの感想をあいつはノートに書きこんでいた。そんなに熱心に、俺の言葉にうなずくあいつは見たことがなかった。
必死になっているぜ、それは決して見ていて気持ちのいいものじゃないけれど、そういう時もやってくるんだな、って思った。

21歳だか22歳になって、あぁ大学も残り少ないしやりたいことやろうって思ったかどうだか知らないけれど、小説を書こうなんて、どうしてなんだろう、
やれる時間も少ないから旅行に行こう、ってそんなことは、思わなかったのかな、
思わずに、小説を書こうって思ったんだ、そうだな、どうしてだろうな。


0 件のコメント: