空港に降りて市内に入るバスを捕まえる、真夜中を過ぎて道に霜が降りていた
半日遅れた便の出発を待ちながら、俺は一枚も写真をとらなかった、ただ手紙を書いていた
この小さな空港のレストランではアルバニア語を話す女しかいない
「会社からのサービスだ」
差し出されたコカ・コーラを飲みながら、男の台詞を思い出した
「私達の言葉を学ぼうとするあなたに敬意を表して英語は話さない」
少しも嬉しいわけじゃなかった、それでも俺は泣いた、今は必死なんだ、こんな二度と会わない他人が分るくらい、俺は必死なんだ、そう分ったから俺は泣いた
残りの客と反対の道を歩きながら、東京に電話をした、今は朝だろう、おかしいぜ、初めてこの街に来た気がするんだ
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